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食空間の色コーディネート

2007年1月1日
菓子工業新聞

連載内容、全10回

1.社交のマナー、エチケット 宮島ワンダ先生
2.イタリアはヨーロッパの食文化の原点 宮島直機教授
3.食空間の美・美しい空間作りポイント     宮島ワンダ先生
4.プロトコール用テーブル 宮島ワンダ先生
5.イタリアの食文化はトルコ料理と根がおなじ? 宮島直機教授
6.プロトコール・国際儀礼 宮島ワンダ先生
7.ヨーロッパの食文化はイタリアからフランスへ 宮島直機教授
8.南イタリアと北イタリア 宮島直機教授
9.社交の場・サロンの美               宮島ワンダ先生
10.シルバーの知識                   宮島ワンダ先生

3.食空間の美    宮島ワンダ

本号では食空間の色についてを掲載します。色は人をリラックスさせたりや食欲を増進したり、人の精神に大きく影響します。お菓子や店鋪をはじめ、お皿、ダイニングルーム、リネン、ティーカップ、カーテンなど食空間の色を考える時は、次のような組合せを念頭におきましょう。


◎季節の色には、4つの種類があります。

春(スプリング)は菜の花やパンジー、チューリップなどのウォームソフト。
夏(サマー)はあじさい、ラベンダーのクールソフト。
秋(オータム)はすすきや落ち葉、菊などのウォームハード。
冬(ウインター)はクリスマスツリーとポンセチアのクールハードです。

◎季節ごとの色のイメージ

春の色はアイポリーやべージュ、クリーム、ピーチピンクで、カジュアル、ロマンチック、ナチュラルで、にぎやかなイメージです。
夏の色はブルーグレー,cpプリッシュグレー、ミントグリーンでシンプル、ロマンチック、ナチュラルで、さっぱりした感じが出ます。
秋の色はベジューやブラウン、オリーブグリーンでハードカジュアル、エレガント、クラシックで、伝統的なイメージです。
冬の色はホワイトや黒、グレー、ダークグリーンでモダン、エレガントで、生活感がない感じを与えます。

以上のような春夏秋冬の色の中で、食空間に相応しい色は春と夏です。秋や冬はあまりおすすめしません。また、暖色はリラックスできます。寒色と暖色を一緒にしてもかまいませんが組み合わせ方が難しいでしょう。ヨーロッパの食卓の色には、それぞれ伝統的な意味があります。赤はキリストの血、グリーンは生命力を表し、プロテスタントのクリスマスカラーです。カトリックは清らな白で、クリスマスの他に教会や結婚式関係のテーブルにも使われます。ゴールドは権力の象徴です。西洋の食器には、ゴールドの縁どりがよく見られます。黄色はこれから春がくるという希望の色、イースターカラーです。コバルトブルーは心のやすらぎと神の力、宇宙を表現しています。天国とのつながりや、美しい空間を表現することから、教会のステンドグラスによく見られます。また、コバルトブルーは色が出しにくいので、値段が高いものでした。このため、西洋食器でコバルトブルーは評価が高く、すべてのヨーロッパの窯元にみられます。

また、住まいのカラーとしてはベージュをお勧めします。ベージュに囲まれるとリラックスした気持ちになります。ホテルや公式の場に多く、写真にも良く映ります。また、後退色や寒色、くすんだ色との組み合わせは広々感がでます。

次に食のカラーテクニックですが、料理と食器の色バランスは、おいしそうに見えるように組合わせます。赤と緑、茶と黄色などがあります。暖色のキャラメルや黄色あると食欲を増進します。写真に撮る場合は赤が入ったほうがよいでしょう。逆にキャラメルは写真映りがよくないので、ミントやラズベリーを上にのせます。有彩色はまとめて、ガラスなどの無彩色のものに乗せると良いでしょう。有彩色と無彩色は混ぜずに分けることがコツです。また、ピーマンの赤やオレンジ、グリーンなど野菜の色は食欲を誘います。ランプなど暖色の明かりはキャラメル色なので、食欲増進になります。蛍光灯はグレーが入っており、色空間に合いません。ただ、西洋人と東洋人とでは目の作りが違うので、日本人はあまり嫌がらないようです。写真のお菓子はタルト・ペッシュ・エ・フィグ

白桃とイチジクのタルト

(白桃とイチジクのタルト)


土台のパートシュクレには、クレームダマンドが入っていますが、皮付きの アーモンドのプードルを使い風味を出しています。酸味をきかせるため、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、すぐりを使ったジャムを塗りました。
上にのせてある、いちじくは薄い皮なんで手で剥くと実までとれてしまうため、湯剥きにします。桃は白ワインとシナモン、レモンの皮、バニラ、アニスで香りつけ、常温で中に浸透させます。次に水分を取り、4等分に切ってのせます。上にはレモン風味のグラサージュを掛けています。また、ラズベリーとミントも並べました。飾りの飴細工はドイツ製のパラチニットという砂糖を、180℃でシロップにしてから、ベーキングシートに流して、刻んだミントを加えま す。一度、固めてから、オーブンに入れると飴が柔らかくなるので、パレットでならします。パラチニットはグラニュー糖と違い、泣きにくい砂糖です。お皿の縁はコバルトブルーとゴールドです。

イタリアはヨーロッパの食文化の原点 

菓子工業新聞

連載内容、全10回

1.社交のマナー、エチケット 宮島ワンダ先生
2.イタリアはヨーロッパの食文化の原点     宮島直機教授
3.食空間の美・美しい空間作りポイント 宮島ワンダ先生
4.プロトコール用テーブル 宮島ワンダ先生
5.イタリアの食文化はトルコ料理と根がおなじ? 宮島直機教授
6.プロトコール・国際儀礼 宮島ワンダ先生
7.ヨーロッパの食文化はイタリアからフランスへ 宮島直機教授
8.南イタリアと北イタリア 宮島直機教授
9.社交の場・サロンの美            宮島ワンダ先生
10.シルバーの知識               宮島ワンダ先生

2.イタリアはヨーロッパの食文化の原点 編   宮島直機

ヨーロッパでは、次のような背景から美味しい料理が作られるようになった。


1.北ヨーロッパ

11~12世紀、現在の西ドイツや北フランスあたりで、農業革命が起り、新しい農業技術が東西南北に広がり、ヨーロッパが発展しはじめた。
具体的な農業技術は、

◯三圃制を取り、畑を3つに分けて利用した。冬に蒔いて夏に収穫する冬麦、初夏に蒔いて秋に収穫する夏麦。終わると連作障害を防ぐため、休閑し、何も作らず、変わりに糞を肥料にするため家畜を放し飼いにした。
◯ヨーロッパには4種麦があり、それぞれ用途が違う。パンに使う小麦は冬麦で、寒い場所では作れない。ライ麦は北でも作れるがパンの味は落ちて、茶色になる。大麦は食用に適さないので、ビールにする。カラス麦は馬の餌になる。
◯ヨーロッパは粘土質の土なので耕すのが大変だったが、重量有輪犂(重い鉄の輪が付いた犂)により、馬が4~6頭で引っ張ることができた。
◯麦を早く効率よく粉ににするため、水車も利用された。鉄を作る時のふいごにも水車が使われた。
◯馬は草原の動物なので乾燥地帯以外は蹄が割れるため、蹄鉄を足に付けた。
◯縦列繋駕(縦に馬をつなぐ技術)。馬を縦につなぐと力がだすことができて、重いものを引ける。ちなみに、馬を縦に6頭つなぐと簡単に方向転換できないので、なるべく真直ぐ引く。このため、今でも畑の形は細長い。
◯肩掛索網(馬の肩に掛けて引っ張らせるつなぎ方)。大きな輪を肩に当てて引かせると重い物を引いても首がしまらない。
◯旋回荷車(前の車輪が、方向転換できる)。方向変える時も四輪の荷車がひっくり返らない。それまでは二輪だったので、たくさん荷物が乗せられなかった。以上のように物を運ぶ手段が発達し、鉄をたくさん使った新しい技術が出て来た。ただ、鉄は高価なのでみんな協同購入して協同で使った。このため村全体がひとつの組織として協同作業しなければならず集村(郷村)となる。そこで、村をまとめる領主が生まれ、農民は農村協同体を形成し働いた。また、領主は外敵から農村を守る騎士もつとめた。農業技術が上がると従来の生産が3?4倍となり、余裕ができたので、農民は騎士の生活を支えることができるようになった。北ヨーロッパでは豚と牛を飼って、ラードとバターを調理に使った。飲み物は大麦をビールにした。農業革命により、鉄が必要となったが、農村では手に入らない。このため鉄を遠くから運んでくる商人が集まる、サービスセンターとして都市がヨーロッパの中に出来た。ヨーロッパの都市はこの時にできたもので、いまある都市のほとんどは、この頃にできたものである。また、ローマ教皇が独自の政治勢力として登場したことも影響する。それまでは各地の領主の支配下にあった教会が、教皇のもとに集まって独自の勢力を形成する。農業革命で生活に余裕ができたので、宗教熱が高まり、聖地巡礼が始まる。ローマ教皇はイエスが生まれた土地をイスラム教徒から、取り戻すため十字軍を呼び掛けた。十字軍が動けば人や物も動くから、ベネチア、ジェノバなどイタリアが都市の繁栄した。このような背景の中、北イタリアにゲルマン人が入り込み、豚と牛、ビールなどを持ち込んだ。

2.南のヨーロッパ

北ヨーロッパではノルウエーやデンマーク、スウエーデン出身のバイキング(入江の民)が、ノルマン人(北の民)としてノルマンディにやってきた。ノルマン人は、北はイギリスを征服し農業技術を広めた。南ではノルマンディーから巡礼地であるイタリアのモンテガルガーノをノルマン人は目指し、後に南イタリアを征服する。ノルマンディーで領地を継げなかった人はイギリスや南イタリアに移り住み、農業技術を広めた。


3.北からスタートしたイタリア統一、南からスタートしたイタリア料理。

イタリアの地は最終的にはトリノの王家であるサボイ家が、北イタリアから南イタリアを征服し、統一した。ただ、イタリア料理は南からスタートし、北に上がっていく。もともと、イタリア料理の基本的食材である野菜や果物、パン、オリーブオイル、ワインはヨーロッパ全域支配したローマ帝国からの伝統である。また、色々な国に支配されたため、他から影響したものが多い。イスラム教徒は米やさとうきび、レモン、ピスタチオ、絹や綿のもとになる桑を持ち込んだ。南イタリアのシチリア王国やナポリ王国もスペイン王国に支配されていたため、アメリカ大陸からトマトやじゃがいも、なす、たまねぎ、ピーマンなどが比較的早くから入った。以上のように南イタリアでは食材が豊富だったので、煮込むなどの調理方法もされるようになり、北に広まった。北ヨーロッパでは豚や牛を油で炒めて塩、胡椒だけで味付し、煮込むことはしない。


◎ティラミス

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ティラミス

写真のお菓子は本号のテーマ、イタリアに合わせたティラミス。生クリーム使わず、マスカルポーネチーズとパータポンプ(砂糖と卵黄を湯せんで泡立てたもの)にグラニュー糖と卵白で作ったメレンゲを加え、軽めに仕上げました。シロップはエスプレッソコーヒーとマルサラというワインで出来ています。スポンジにはシロップを限界の量まで染み込ませたいので、12人分の大きいサイズにして、スプーンで取り分ける形にしました。表面はココアの粉をふって苦味を強調しています。上には、半円状のシートに塗って刷毛で波状にしたチョコレートを飾っています。また、シートにココアを伸ばしてマーブル状にしたホワイトチョコレートものせています。ティラミスは普通、上面が真っ平なので動きを付けてみました。名前の由来は、「ティラ」が「引く」、「ミ」は「私を」、「ス」は「上げる」、の意味です。直訳すると「私を引き上げて」で、「これを食べて元気になって」という意味です。

社交のマナー、エチケット

菓子工業新聞

連載内容、全10回

1.社交のマナー、エチケット          宮島ワンダ先生
2.イタリアはヨーロッパの食文化の原点 宮島直機教授
3.食空間の美・美しい空間作りポイント 宮島ワンダ先生
4.プロトコール用テーブル 宮島ワンダ先生
5.イタリアの食文化はトルコ料理と根がおなじ? 宮島直機教授
6.プロトコール・国際儀礼 宮島ワンダ先生
7.ヨーロッパの食文化はイタリアからフランスへ 宮島直機教授
8.南イタリアと北イタリア 宮島直機教授
9.社交の場・サロンの美                宮島ワンダ先生
10.シルバーの知識                   宮島ワンダ先生

1.社交のマナー 宮島ワンダ

本号より「ヨーロピアンエッセンスで・魅力ある洋菓子店へ」を再開します。内容は宮島ワンダ氏(宮島ワンダ教室主催)から正統的なヨーロッパの食卓やマナーを、宮島直機氏(中央大学教授)からはイタリアの食文化のお話をして頂きます。また、お菓子はザ・ジョージアン・クラブに提供して頂きます。


本号では接客の参考にするため、社交の場のマナーについて掲載します。先ず、エチケットの基本として守らなければならないことは、知らない人を無視せずに、思いやりをもって接することです。まず、初対面の人には積極的に接します。自己紹介し、挨拶をして、会話を楽しむことが必要です。店員も同じように、お客様の気持ちを和やかにする必要があります。素敵な店員と接すると、お客様は気持ちがよいものです。知らない人が私のことを考えてくれると、ホッとするし、1日が楽しくなります。着飾っているだけではだめです。素敵な会を楽しみましょう。他人に何かいわれても落ち込まず、興味を持ってもらえたと、プラスに考えるとよいでしょう。
また社交の場には、必ず男性と女性がいます。ビジネスの場では肩書きが問題になりますが、社交の場では女性と男性の組合わせで人が動きます。このため、振舞は女性らしく、男性らしくします。女性らしい振る舞いは、あまり目立たず、しつこくならないようにすることです。また、男性に色々サービスしてもらいましょう。男性も女性に積極的に声をかけるなどしないとバランスが悪くなります。

○握手の基本

握手は、女性から手を差し出します。男性から女性に手を差し出しては行けません。男性は女性が手を差し出すのを待ちます。また、相手が年上の場合は、男女に関係なく、年上の者が年下の者に手を差し出します。


○紹介の仕方

まず年下の者を年上の者に、そのあとで年上の者を年下の者に紹介します。女性に必ず男性を紹介します。


○会話の楽しみ方

色々な話をするためには、多くの情報を持つことが必要です。名前を聞いただけで終わらないように、お客様に合う話題をあらかじめ用意しておきます。また、今、流行していることも必要です。私はこれだけしか話せない、ではなく、色んな方と接して、幅広く学び、自分を豊かにしましょう。


○部屋に入るときのエチケット

先ず入る時は、必ずドアをノックをします。次にドアを閉める時はノブを持った手を替えて、背中を見せないようにします。


○テーブルに付くときのエチケット

背筋は常に伸ばして座ります。前かがみにならないように座りましょう。


◎社交の場にかかせないチェックポイント

○ルールをやぶってもゆるされる場合は?

相手によります。思いやりの心があれば、正式なルールでもやぶってよい場合があります。フィンガーボールの水は指を洗うためのもので、飲み物ではありません。しかし、イギリスのビクトリア女王はお客様が知らずに、飲んでしまったとき、ビクトリア女王は注意するどころか、そっと微笑んで、自分も同じように飲んだといいます。このように和やかな場を作るためには、正式なルールをやぶることも必要です。相手の立場に立って、柔軟性に、対応をしたいものです。


○TPOの意味なんですか。

時、場所、状況のことですが、例えば服装は、夜8時以降なのか、ガラディナーか、ビジネスの集まりか、何の記念日なのかなどとなって、様々に組み合わせがあります。お誕生日のお菓子の贈り物にもTPOがあります。


○日常生活のマナーとお出かけ時のマナーは区別しますか。

お客様は町中でも見ています。この時、服そうなどが乱れていれば、店の印象も悪くなります。逆にいつも、自分を素敵に整えておけば、いざという時に困りません。日常のマナーが最高でなければ、TPOに応じることは出来ません。


◎桜フローマージュ

桜フロマージュ

上記写真のお菓子は桜の季節だったので、桜フロマージュを作っていただきました。本体はブルタニュー産のチーズを使ったフローマージュグラスムースで、下にはアーモンドパウダーを使ったビスキュイを敷いています。焼き上げる際には、酸味を加えるため、すりおろしたレモンの皮を加えました。また、ムースの中にも桜の風味のゼリーを入れてあります。表面は、桜のリキュールと桜のペーストを加え、マーブル模様に仕上げたグラサージュです。仕上げの段階で、水で塩抜きし、ひらかした桜の塩漬けを、表面に並べました。上にはラズベリーとストロベリー、ブルーベリー、スペアミントを飾り、周りにはホワイトチョコレートを張り付けています。

南イタリアと北イタリア

宮島 直機氏(中央大学教授)

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ローマバチカン前


イタリアの食文化は、南イタリアに始まる!
 

1)ローマ帝国が残した食材:

ローマ帝国には、古くから野菜(キャベツ・カブ・ほうれん草・サラダ菜・そら豆・えんどう豆・ポワロ葱・ニンニク・タマネギ・南瓜)や果物(リンゴ・梨・ブドウ・いちじく・ザクロ・桃・サクランボ・プルーン)が豊富だった。また、古代ローマ人は小麦粉を練って平たくしたラザニア風のものを食べていたが、これがパスタ類の原型。ローマ帝国の西半分は5世紀に消滅するが、東半分(東ローマ帝国)は15世紀まで存続して南イタリアに大きな影響を与えた。そこで野菜と果物が豊富なローマ帝国の食文化が南イタリアに残ることになる。なお、パン・オリーブ油・ワインは、ローマ帝国に限らず地中海地方の基本的な食べ物である。
 

2)アラブ人が残した食材:

東ローマ帝国の支配下にあったシチリア島が9世紀にアラブ人のものになり、南イタリアの食文化にアラブ人が影響を与えることになる。まず遊牧民であった彼らは、生パスタを乾燥することを始め、シチリア島で乾燥パスタが大量に作られるようになった。また、灌漑施設を持ち込んで米の栽培を始める。サトウキビをシチリア島に持ち込んだのもアラブ人。まず地中海地方で普及し、キューバやハイチなど西インド諸島にがスペイン人に征服されると、砂糖黍は西インド諸島で栽培されるようになる。なおヨーロッパ大陸では、19世紀初めのナポレン戦争が切掛けで砂糖大根が栽培されるようになり、いま砂糖は砂糖大根から作られている。また、いま地中海地方ならどこにでもあるレモン・なす・アーモンド・へーゼルナッツも、アラブ人が持ち込んだものである。
 

3)ノルマン人が残した食材:

アラブ人のあと南イタリアを支配したのは、北フランスのノルマンディー地方からやって来たノルマン人。ただし、彼らが南イタリアに持ち込んだのは蕎麦くらいである(なおヨーロッパでは、蕎麦は粒のまま煮て食べる。日本の蕎麦米!)。彼らの功績は、むしろアラブ人がシチリア島に持ち込んだ食文化を南イタリア全体に普及させたこと。
 

4)フランス人はフォーク:

11世紀ころ東ローマ帝国からフォークを使うことを学んだフランス人は、一時期、南イタリアを支配下においた13世紀にこの習慣を南イタリアに持ち込み、熱くゆでたパスタを素手でつかんで食べていた人たちの間にフォークは急速に普及することになる。
 

5)スペイン人が残した食材:

南イタリアの食文化に大きな影響を与えたのはスペイン人。フランス人に代わって南イタリアを支配下においたスペイン人は、アメリカ大陸から新しい食材を持ち込んできた。トマト・とうもろこし・ジャガイモ・唐辛子・ピーマンなどである。また古代ローマ人が食べていた南瓜がアメリカ大陸から持ち込まれてきて復活することになった。とくにトマトはチーズとの相性がよく、それがイタリアの食文化に与えた影響は重要。
 

南イタリアの食文化は北へ、そしてフランスへ!

1)南の食文化が北へ:

19世紀中頃にヨーロッパで盛んになった民族主義の影響を受けて、イタリアでも統一運動が展開されることになるが、そのとき中心になったのが北イタリア(トリノがあるピエモンテ州)である。イタリアは北から統一されることになるが、その結果、南にあった食文化が北イタリアに持ち込まれていくことになった。
 

2)北イタリアにもあったドイツの食文化:

西ローマ帝国を5世紀に滅ぼしたのは、ドイツ人の祖先であるゲルマン人の一部族ランゴバルド人。それ以来、北イタリアにはドイツの食文化が持ち込まれ、豚・牛・ラード・バター・ビールが存在していた。そこに南イタリアの豊富な野菜・果物・米・乾燥パスタが持ち込まれてきたのである。
 

3)イタリア料理がフランスへ:

イタリア統一運動の中心であったピエモンテ州や、そこを支配していたサボイア家は、もともとフランスの影響下にあってフランスとの交流が盛んであった。北イタリアにまで到達した南フランスの食文化がフランスに影響を与えるのは、そんな交流の結果である。1533年にアンリ4 世に嫁いだカトリ-ヌ・ド・メディシスがフランスに連れて行った料理人が、イタリア料理をフランスに紹介したとよく言われるが、これは伝説に過ぎない。

Q.ワンダ先生のテーブルコーディネーターへのきっかけは?
A.テーブルリネンはきっかけ

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なぜ、私が日本にきてからヨーロッパのテーブル・セッティングについて関心をもつようになったかといいますと、つぎのような経験があったからです。

数十年前、日本に来ることになった時、まず問題になったのはプレゼントに何をもっていくかということでした。私はテーブル・クロスをもっていくことにしました。

テーブル・クロスなら誰もが毎日、使うものだからです。それにテーブル・クロスは一生、使うことができるからです。 いろいろなテーブル・クロスをそろえました。
大きなもの、小さなもの、色のついたもの、つかないもの。一番上等だとされている白い亜麻のものも、何枚か揃えました。

ところが、日本でテーブル・クロスを贈っても、あまり喜ばれないことに気が付きました。せっかく差し上げても、全然使われてない様子でがっかりしました。日本にはテーブルはあっても、テーブル・クロスはほとんど使われることがないということを知らなかったからです。

日本では、もともと各人がお膳を使っていました。テーブルで食事をするようになってからも、お膳が大きくなって共同で使うようになっただけで、別にテーブル・クロスなど必要ないのです。それに、もとも、テーブル・クロスは、手掴みで肉を食べていたヨーロッパ人が汚れた手を拭くのに使っていたもので、昔から箸を使っていた日本では必要ないものでした。


今では、ヨーロッパもテーブル・クロスは汚れた手を拭くものではなくなっています。テーブルを美しく飾り、お客様をもてなすために重要な役割を果たしています。


日本でもヨーロッパ風にお客様をもてなしたり、ヨーロッパやアメリカからお客様をもてなすときは、ぜひテーブル・クロスでテーブルを美しく飾っておきたいものです。テーブル・クロスはお客様をもてなす心の現れなのです。

1.テーブル・クロスはかならずテーブル・トップの形に合ったものを選びましょう。テーブル・トップには、正方形のもの、長方形のもの、円形のもの、オーバル(長円形)のものなどさまざまな形のものがありますが、テーブル・クロスもそれに合わせて正方形のもの、長方形のもの、円形のもの、オーバルのものを選びましょう。

2.素材も大切です。亜麻、棉など、素材の良いものを選びましょう。なお、日本では亜麻も大麻も全部一緒にして麻と呼びますが、ヨーロッパ人にとって亜麻(リネン)は絹に匹敵するほど上等なものです。その点は注意して下さい。あくまでも細くて真っ白な亜麻のテーブル・クロスを選びましょう。

3.大きさは、テーブルの端から20~30cmほど垂れ下がるくらいが適当です。

4.基本的な色は白。白ですと合わせやすいということはありますが、TPOに合わせて他の色や柄入りのものを選ぶのもよいでしょう。ただ、その場合はコーディネ–トが難しくなります。